今月読んだ本

今月(2021-01)読んだ本は7冊でした。新刊多め。


私たちが直面している最大の危機はウイルスではなく、人類がうちに抱えた魔物たち、すなわち、増悪と強欲と無知だ。私たちは今回の危機に臨んで、憎しみを燃え上がらせることもできる。
プライバシーと健康のぢちらを選ぶかを問うことが、じつは問題の根源になっている。なぜなら、選択の設定を誤っているからだ。私たちは、プライバシーと健康の両方を享受できるし、また、享受できてしかるべきなのだ。
一方、民主主義では、政府は間違いを犯したときに、自らを修正できます。そこが肝心です。




「にわか」という言葉は日本の本質的な文化のひとつ。日本人の方ン室をよく表していると思う。盛り上がりはしたいんだけど、自分の人生を変えるような盛り上がりは避けたい。なぜなら、それはリスクになるから。
日本人のリアルってなんだとなるわけで、わたしはそのひとつの答えが「永遠の日常」なんじゃないかと思っているんだよね。昨日と同じように経があり、今日同じように明日が来る。日本人にとってのリアリティーはそれに尽きるんじゃないかと思うんですよ。



いまはみながみなスターを目指している社会です。新自由主義とSNSがその傾向を加速しました。けれどもそれは原理的にまちがっている。だって、皆がスターになることは原理的にありえないんだから。だから、スターだけが文化を創るのではなく、じつはその周囲のコミュニティこそが大切なんだという価値観をもっと広めていく必要があります。ゲンロンスクールをやっていくなかで、この「観客」の問題もまたゲンロンの肝なのだと考えるようになりました。
ぼくたちの社会では、SNSが普及したこともあり、「言葉だけで決着をつけることができる」と思い込んでいるひとがじつに多くなっています。でもほんとうはそうじゃない。言葉と現実はつねにずれている。 中略 経験がなく言葉だけで正しさを決めようとしても意味はない。むしろ大事なのは、言葉と現実のズレに敏感であり続けることでうす。ぼくのいう「観光」は、そのためのトレーニングです。
ぼくはずっと、ゲンロンを強くするためには「ぼくみたいなやつ」を集めなければならないと考えていた。 中略 でも、その欲望自体が最大の弱点だったのです。 中略 自分のなかには「ぼくみたいなやつ」うぃ集めたいという強いホモソーシャルな欲望が巣くっている。それこそがリスクであり限界なので、意識的に退治していかないとどうしようもない。
お金は、それを道具として使っているかぎり便利なものでしかありません。花柄を介した商品交換自体はだれも不幸にしません。問題は「資本の蓄積」です。いまのことばでいえば「スケール」です。お金の蓄積が自己目的化し、数に人が振り回せるようになったときに、社会と文化は壊れていくのです。


Written on January 31, 2021