今月読んだ本

今月(2021-12)読んだ本は7冊。

みんなが愉快に仕事をしているとき、ウェイドはいつも深刻そうにしている。その反対に、ほかの、全員が不幸のどん底にあるとき、ウェイドはのんびりした態度で、冗談さえ口にする。
中略
ウェイドのこの態度は、あるべきリーダー像や士気の鼓舞とはなんの関係もない。彼はただ、他人の不幸を見るのがうれしいだけなのだ。自分自身がそのふこうに見舞われたひとりであっても関係ないらしい。
『人類が宇宙で迷子になれば、ご分後には全体主義に到達する』
中略
人類文明という幼い子どもは、玄関のドアを開け、外を覗いてみた。しかし、果てしなく広がる夜の深い闇に縮み上がり、あわててドアをまたしっかりと閉ざしたのである。
ガス巨星を掩体にして暗黒森林攻撃から安全に見を隠すという計画は、地球人類でされ思いつくことができた。交互の技術レベルにある文明が、それに気づかないはずがない。
生存の障害となるのは弱さや無知ではない。傲慢こそが生存の障害となる。



「僕たちは、大丈夫だ」というセリフは世界変革を夢見ない現状維持、現状肯定派の保守的心性の現れなのだろうか。もしくは気候変動による文永崩壊の危機に際して、何もしないままの態度を意味するのか。いや、これは事実を記述しているのではない。恋人たちの約束なのだ。セカイ系は約束の形式なのである。倫理とは世界との関係を取り入れた自分への約束なおである。そこからしか倫理は始まることはない。
セカンドインパクトが世界の終わりではなく、世界の始まりだったことに気づけば、サードインパクトも新世界の始まりとなる。これが無限に続くのだ。自分を習うというのは、自分を忘れるということだった。自分の人生を生きる、自分を見つけるというのは、自分を見失い、忘れることでもある、という繰り返しの物語を多くの人に与えることこそ、存在の海で打ち寄せる波のあり方なのだ。終わりはいつも始まりであり、そうあり続ける。



2021年に読んで特に面白かった本は、


ぼくたちの社会では、SNSが普及したこともあり、「言葉だけで決着をつけることができる」と思い込んでいるひとがじつに多くなっています。でもほんとうはそうじゃない。言葉と現実はつねにずれている。
中略
経験がなく言葉だけで正しさを決めようとしても意味はない。むしろ大事なのは、言葉と現実のズレに敏感であり続けることです。ぼくのいう「観光」は、そのためのトレーニングです。


推しを押すだけの夏休みが始まると思い、その簡素さがたしかに、あたしの幸せなのだという気がする。


Written on December 31, 2021