今月読んだ本

今月(2025-05)読んだ本は2冊。

新書の皮を被った批評本でおもしろかった。

読書とはノイズである
読書は、労働のノイズになる

「作家」の説明には「最後の職業」とある。さまざまな体験や職業を経てからなっても遅くはない、犯罪者でもなれる職業なんだから焦ってやる必要はない、という意である。20代で鮮烈なデビューをかました村上龍にだけは言われたくねえ、と思う。

ある種の大人になる通過儀礼の景色のように、少女は働く。少年漫画だとそれは「冒険」になるのかもしれない。しかし少女は、大人になるために、働くことが多い。

父親は、葛藤が生まれるほどの存在感を持たない。それが今の娘や息子たちの感覚だとすれば、血縁への抵抗が、母親に対する葛藤に集中するのは無理もない。おそらくW村上の時代は父親の存在感がまだあった。昭和のホームドラマといえば、『サザエさん』。の波平、『寺内貫太郎一家』の寺内貫太郎など、父親の姿が不可分だった。でも今は父親なんていないから、父殺しも何もないんだろう。

Written on May 31, 2025