今月読んだ本と2025年読んだ本
今月(2025-12)読んだ本は1冊。
東京の子 (角川文庫)
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仮部は「ここは、インテリがくるような国じゃないぞ」と呟いてみた。
人は外見次第でまともに扱われる。それを仮部は身をもって知っていた。ひとたび承認されれば、振る舞いも変わり、そして内面も変わっていく。仮部は外国人だらけの職場でダン・ホイに一人の人間として扱われることで、施設育ちの劣等感を捨てることができた。一日の半分を会社員として過ごすデュアルの学生たちが、ただの大学生とは異なった顔つきになるのも無理はない。
コロナ禍を通り抜けた東京に残されたのは、ひとときの仕事にありつくために地方から集まってきた若者と、三百万人を超えた外国人労働者と、最低賃金ぎりぎりでも文句を言わない外国人も就ける職業──介護、保育、警備に解体工事の現場だ。水谷と話すのは三日目だが、そのたびに東京デュアルが目指している社会がそれほど悪いものではないように思えてきていた。
トウキョウ・ニッパーと呼ばれていたおれが、東京の子が、この街に裏切られるわけがない。
2024年に読んで面白かった本リスト
極夜行 (文春文庫)
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過去
Written on December 31, 2025
